2017/02/25

知ってるようでちゃんと知らない!漢方って何?薬なの?

 
「漢方って何?」と子供に聞かれたら

 

こんにちは!
漢方大学で漢方について勉強しています、早乙女タロウです。

例えば子供に「漢方って何ぃ~~~?」って聞かれてあなたはわかりやすく説明できますか?
それとか「漢方薬と生薬って同じなのぉ~~~~?」と聞かれて答えられますか?

そんなときに慌てないために、今から一緒に漢方って何なのか見ていきましょう!

早乙女タロウ

 

漢方って何ぃ~~~?

西洋薬
科学的に合成された西洋薬
主に科学的に合成された薬品
漢方薬
自然のものでできている漢方薬
主に自然の植物・鉱物・動物などでできている

この漢方薬に使われる、植物・鉱物・動物などから作られたものを生薬といいます。
生薬を数種類の特定の配合で混ぜ合わせたものを漢方薬と呼びます。

漢方は薬?

「漢方薬」と言いますが、人や動物の病気の診断や治療、予防などを行うために使い健康を回復させるものを「薬」といいますので、漢方もそういった点から見れば「薬」ということになります。

サプリメントや民間薬、ハーブとの違いは?

サプリメント 栄養補助や健康補助を目的とした食品。アロエ(根・葉肉)・イチョウ・ウコン・甘草など医薬品としても食品としても使えるものが、原材料に使えるため、医薬品のような感じもするがはっきりしない、という印象があります。
民間薬 サプリメントが出回るまでは民間薬がサプリメントの位置づけだった。代々受け継がれた知恵の結晶で、効果としては漠然としていて経験から来るものが多い。一種類の薬草を使います。
ハーブ ハーブ療法は民間薬のような使い方で、一種類のハーブを使います。薬草としても使われますが、スパイスや香料としても使われます。
漢方薬  数種類の薬草を使います。医療現場でも使われる医薬品です。単に1+1は2ということではなく、相乗効果で3にも4にもなるのが漢方薬です。

方剤って何?

方剤という言い方を聞きますが方剤とは、「漢方剤」「漢方薬」のことです。

生薬と方剤(漢方薬)の関係性

生薬の例
黄耆(おうぎ) 釣藤鉤(ちょうとうこう) 附子(ぶし)
黄耆

黄耆は、皮膚に水毒が貯まるような異常に使用しますが、同時に元気を補ったり、免疫力をつけたりする必要がある。

釣藤鉤

釣藤鉤には降圧、催眠、などの作用の他に、精神的な興奮状態や筋肉の痙攣やひきつけにつかわれます。

附子

附子は体の冷えを取るので、飲むことにより体の芯から温まります。そのため温薬とも言われています。

方剤(漢方薬)の例
黄耆建中湯:経皮、芍薬、大棗、生姜、甘草、黄耆、飴糖
抑肝散:当帰、川芎、茯苓、白朮、柴胡、釣藤鉤、甘草
八味地黄丸:地黄、山茱萸、山薬、茯苓、沢瀉、牡丹皮、桂皮、附子

このように、生薬が数種類集まったものが方剤(漢方薬)になります。

生薬の数が多いほどいい漢方なの?

漢方薬というものは、生薬で構成されていることはわかりました。
では、構成している生薬の数が多いほどよく効く漢方薬なのでしょうか?

少ないもの 甘草湯 = 甘草 1種類
中間ぐらいのもの 小柴胡湯 = 柴胡、黄芩、半夏、人参、大棗、生姜、甘草 7種類
多いもの 当帰、川芎、芍薬、茯苓、白朮、厚朴、陳皮、大棗、生姜、甘草、半夏、白芷、枳実、桔梗、桂枝、麻黄 16種類

一般的な傾向として…

構成数が少ない方は、 効き方が鋭い
構成数が少ない場合

構成数が多い方は、 効き方がマイルド
構成数が多い場合

慢性症状では、このような治療をすることもあります。
 構成数が少ないもの(緊急の症状の緩和) ⇒ 構成数の多いものへ(慢性症状の根底治療)

生薬の種類が多ければ、治療効果として良いというわけではありません。

 

方剤(漢方薬)の名前の付け方4パターン

普段、何気なく見ている漢方薬の名前ですが、実は4つのパターンで命名されています。

方剤を構成している生薬の名前を羅列したもの
  • 芍薬甘草湯 (芍薬、甘草)
  • 苓桂朮甘湯 (茯苓、桂皮、白朮、甘草)
  • 厚朴生姜半夏甘草人参湯 (厚朴、生姜、半夏、人参、甘草)
方剤を構成している生薬の中で最も中心となる生薬(君薬)に由来したもの
  • 桂枝湯 (君薬が桂枝)
  • 白虎湯 (君薬の石膏が白いから)
  • 大青竜湯 (君薬の麻黄が青いから)
構成している生薬の数に由来したもの
  • 四物湯、八味地黄丸、十全大補湯
方剤の作用・効能に由来したもの
  • 補中益気湯(気を補う)、治打撲一方(打撲の治療)、排膿散及湯(膿を排出させる)

方剤(漢方薬)の具体的な構成例を見てみよう(風邪薬編)

実際の風邪の症状に対してどのような構成で漢方薬を作るのか見てみましょう。

汗をかいていない、悪寒、関節痛のある風邪(体力のある人の風邪)の場合

悪寒・関節痛のある風邪 麻黄湯 = 麻黄桂枝杏仁甘草
  • 麻黄には、発汗作用があるが、これに血行を良くして体表を温める 桂枝が配合されることで、強い発汗作用
  • 麻黄と杏仁は関節痛を除く(水毒を除く作用)

 

自然発汗している場合の風邪(体力の無い人の風邪)の場合

汗をかいている風邪 桂枝湯 = 桂枝芍薬大棗生姜甘草
  • 桂枝は、血行を良くして体表を温めるて、緩やかに発汗を促す
  • 芍薬は、発汗の行き過ぎを抑える

 

汗をかいていない、悪寒、肩こりのある風邪の場合

肩こりのある風邪 葛根湯 = 葛根、麻黄+(桂枝芍薬大棗生姜甘草
  • 麻黄と桂枝では、強い発汗作用
  • 芍薬は、発汗の行き過ぎを抑える
  • 葛根は、肩こりを緩和する
発汗の効果
麻黄湯 > 葛根湯 > 桂枝湯

 

漢方の世界観:その1【統一体観】【正気と邪実】

統一体観

統一体観

漢方の世界では、「人間は自然の一部」と捉えています。自然界のバランスが崩れると異常気象が起きるのと同じように、人間のからだの内部環境もバランスが崩れると病気になるとされています。

正気と邪実(発病因子.病理産物)

正気不足(抵抗力の低下)になったり、強い邪実が侵入すると病気が起こりとされています。

漢方薬は、この崩れたバランスを整えて

  • 正気(抵抗力)を助ける「扶正」
  • 体にとって不都合な邪気を取り除く「去邪」

によって体を元の健康状態に戻す薬です。

漢方の世界観:その2【気血水(津液)】

気血水(津液)

生命活動の原動力で、血と津液と結びついている。(消化吸収によって得られたエネルギーに近い) 不足すれば、不眠、眩暈、月経痛など
西洋医学の「血液」に近いが、血液の成分と循環作用を含んだ 広い概念でとらえれている。 不足すれば、眼のかすみ、動悸など
水(津液) 臓器や関節などの働きを滑らかにしたり、不要な物を排出する。(リンパ液や組織液に近い) 不足すれば、眼や手足の乾燥、便秘など
気・血・水の関係性
気、血、水(津液)が体内を絶えずめぐることで、生命活動が維持されてます。 そして、お互いがそれぞれに影響し合っています。

  • 気:血や水(津液)の材料になります。
  • 血:気の呼吸や循環を助けます。
  • 水(津液):気や血と一緒に全身をめぐり、気と血の機能を支えています。

漢方の世界観:その3

気血水と漢方の世界観

①足りない物を補う
  • 気を補う (気が足りないと…風邪を引き易い、胃もたれ、皮下出血…)
例)人参湯、小建中湯
  • 血を補う (血が足りないと…眼がかすむ、顔色が悪い、爪がもろい…)
例)四物湯
  • 水(津液)を補う (津液が足りないと…風邪を引き易い、胃もたれ、皮下出血…)
例)麦門冬湯
②多いものを除く
  • 血の熱(血熱)を除く (血熱となると…出血しやすい、血尿、月経過多…)
例)黄芩湯
  • 水(津液)の過剰(水毒)を除く (水毒があると…めまい、頭痛、吐き気…)
例)五苓散
③滞りをなくす
  • 気の滞り(気滞)をなくす (気滞があると…胃が痛む、お腹がはる…)
例)半夏厚朴湯
  • 血の滞り(淤血)をなくす (淤血があると…しみ、そばがす、肩こり…)
例)桂枝茯苓丸
実際は3つが合わさった状態を治療する。
①足りないものを補う ②多いものを除く ③滞りをなくす

例)

  • 六君子湯:気を補う+水毒を除く
  • 当帰建中湯:気を補う+血を補う
  • 当帰芍薬散:血を補う+水毒を除く

漢方薬ってどんな症状に効くの?

ここでは、漢方薬が得意な分野にはどんなものがあるのか紹介していきます。

肥満 水太り・太鼓腹・固太り・腹部膨満などにも対応
便秘 便秘によって、肌の張りやツヤがなくなり、ニキビ、肌荒れ、くすみなどの肌のトラブル多発 その他、大腸ガン、アレルギー症状、疲労感・倦怠感・不眠症・無気力などの原因+便秘には、たくさんの処方があります
不妊 周期療法で対応します
自律神経失調症・不定愁訴 西洋薬には、有効なものが少なく、漢方が得意とする分野です
痩せ 特別な原因がない痩せは、漢方が得意とする分野です
低血圧 症状が強ければ、漢方薬の治療が有効です
かぜ症候群 漢方薬が優れた効果を発揮する分野です
神経症・ヒステリー 西洋薬には、有効なものが少なく、漢方が得意とする分野です
うつ病 漢方が得意とする分野です※ただし、重症の場合は、西洋薬を優先し、漢方薬を併用させます
アレルギー性鼻炎 西洋薬には、有効なものが少なく、漢方を用いるケースが増えています
胃下垂・胃アトニー 西洋薬には、有効なものが少なく、漢方による体質改善が有効です
過敏性腸症候群 西洋薬には、有効なものが少なく、漢方が得意とする分野です
尿失禁 漢方薬が有効で、漢方薬の単独使用もしくは、西洋薬との併用が有効です
妊娠・つわり・妊娠悪阻 西洋薬には、有効なものが少なく、漢方が得意とする分野です
冷え性 漢方薬が得意とする分野です
肩関節周囲炎(五十肩・四十肩) 漢方薬が得意とする分野です
不眠症 漢方薬が得意とする分野です

 

まとめ

いかがでしたか?生薬と漢方の関係性って意外と知らない人が多いんじゃないでしょうか。

また、こんなに多くの症状に有効というのも驚きですね。

なんとなく漢方は難しそうだと思っていましてけど、ひとつずつの決め事を理解していくと、思っていたより理解できるものですね!

早乙女タロウ

そうなんじゃ。まあ、今までの専門家は、やたらとむずかしい言い回しをして、結局自分たちで漢方のことを理解してもらいにくくしていたんじゃ。

漢方教授

なるほど~!

早乙女タロウ

漢方って、女性の悩みの分野が得意なんですね~!

花田サキ

生理や妊活に関連するものは、西洋薬ではこれと言った有用なものがないのが現状なんじゃ。

漢方教授

へ~、そうなんですね~

花田サキ

監修の佐藤先生の運龍堂では、子育てが落ち着いた感じの45歳あたりの早めの更年期を意識している女性の相談が多いそうじゃ。

漢方教授

更年期にもいいんですかー!

花田サキ

そう、次に多いのは30歳過ぎの婦人科系の問題を抱えている人じゃ。

漢方教授

佐藤先生のところの相談来る人の男女比ってどれくらいなんでしょうか?

早乙女タロウ

8割が女性だそうだ。

漢方教授

そんなに女性が多いんですか!?

早乙女タロウ

女性は、生理周期がある分、自分の体の不調を感じやすいんじゃ。子宝相談もこの生理周期を整えるのが基本じゃ。

漢方教授

なるほどぉ~

花田サキ

 

まだまだ、漢方薬は幅広い活躍ができる薬じゃ。誤解もいろいろある。西洋医学の先生がもっと幅広く、西洋、東洋の垣根を超えて漢方を使うようになればいいと思うんじゃ。

漢方教授

西洋薬よりも安全な漢方薬がもっと普及すればいいですね!

早乙女タロウ

漢方薬には副作用が全く無いわけではないんじゃ。しかし、ちゃんと理解して使えば問題ない。西洋薬も悪いわけではない。併用することでいい結果が得られる場合もあるし、使うタイミングを上手く測ることで最良の結果を得ることもできる。どちらか一方だけでなく、総合的に使うことで今後もっと医療は良くなると思うんじゃ。

漢方教授

漢方大学でそれのお手伝いができるといいですね!

早乙女タロウ


 

当サイト「漢方大学」は、漢方薬のプロ、博士(薬学)の監修のもと、漢方と体の悩みに関する情報をできるだけわかりやすく解説しているサイトです。架空の大学である「漢方大学」で学ぶ「早乙女タロウ」と「花田サキ」が「漢方教授」に教わりながら漢方について学んでいます。

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