胃潰瘍・十二指腸潰瘍に効く漢方薬って何?

 
胃潰瘍・十二指腸潰瘍と漢方薬

胃潰瘍や十二指腸潰瘍は再発しやすいって知ってました?再発防止に漢方薬が役立ちます。

花田サキ

胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、自分の胃液が胃や十二指腸を消化してしまい、ただれや潰瘍ができるもので、胃液の分泌が過剰になる一方で、胃液から胃や十二指腸の粘膜を保護している機能が低下しておこります。

つまり胃や十二指腸の働きのバランスが乱れて、潰瘍が発生しますが、このようなバランスの乱れには、遺伝的な体質や性格、ストレス、喫煙などが影響しています。

治療面では、優れた西洋薬が開発されており、手術を行わなくても治療ができるようになりました。

しかし、胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、再発率が非常に高く、西洋薬でも再発を防ぐことが出来ない場合があります。

漢方治療の場合は、単に潰瘍部分を治療するだけではなく、体質を改善して体のバランスの乱れを是正するため、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発防止に優れた効果を発揮します。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍に効果的な漢方薬

体力がない、胃腸も弱い(虚証)

  • 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
  • 帰脾湯(きひとう)
強い腹痛、体力低下、顔色不良、動悸
  • 安中散(あんちゅうさん)
  • 四君子湯(しくんしとう)
顔色不良、食欲不振、疲労倦怠感

体力はふつう(中間証)

  • 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
  • 茯苓飲(ぶくりょういん)
軟便、下痢と便秘の反復、胃のつかえ
  • 黄連湯(おうれんとう)
  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
強い胃痛、嘔吐、上腹部の緊張

体力は比較的ある、胃腸も丈夫(実証)

  • 胃苓湯(いれいとう)
胸脇苦満
  • 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
のぼせ、吐血、下血、みぞおちのつかえ、大便の固い便秘
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
のぼせ、吐血、下血、みぞおちのつかえ、腹痛、腹壁の緊張

※「虚証」や「実証」についてはこちら→「漢方薬の選び方~診断方法を知ろう~

ここからは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍について詳しく見ていきましょう!

花田サキ

ヒトの体を構成しているものは、主にタンパク質です。
口から食事として摂ったタンパク質は、胃液によって消化されます。

この時、胃液が自分の胃や腸を消化してしまう状態が、潰瘍と言います。
その中でも、このケースは消化性潰瘍という病気です。

消化性潰瘍は胃液の行き届くところならどこでもできるもので、胃だけではなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍と呼ばれる潰瘍が存在します。

消化性の潰瘍のほとんどが胃と十二指腸でできるためにそのように呼ばれています。

胃と十二指腸の位置

※胃と十二指腸の位置(A→Bの部分が十二指腸)

十二指腸は、胃の出口から横に指を12本並べた長さの小腸を指します。センチで言うと約25cmです。
十二指腸の入口部分は胃液の影響を受けやすく、十二指腸潰瘍の多くがその入口部分にできます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因は?

健康状態が良好な人は、強い胃液にさらされても胃潰瘍や十二指腸潰瘍にはなりません。
では、どういった状態だと潰瘍ができるのでしょうか?

  1. ピロリ菌感染
  2. 薬の内服
  3. 胃酸の分泌過多
  4. その他(クローン病など)

などが挙げられます。

もっとも多いのは、1のピロリ菌感染です。
ピロリ菌がいると胃潰瘍や十二指腸潰瘍が発症しますが、正確なメカニズムまでは判明されていません。
ですが、ピロリ菌を除去することで、潰瘍で苦しんでいた人が症状が治まることに間違いはありません。

また、胃潰瘍の西洋薬をやめたあとでも、ピロリ菌を除去していれば再発の可能性も低くなります。
さらに、漢方薬を併用することで大幅に胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発を防ぐことができるでしょう。

次に多い原因としては、2の薬の内服ですが、非ステロイド抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drug)の頭文字を取ってNSAIDs(エヌセッズ、エヌセイズ)と言い、エヌセーズ潰瘍ともいいます。

痛み止めや解熱剤に使われる薬です。
アスピリンなどでも同じような潰瘍を起こします。

市販の風邪薬でも起こることがあります。

この場合には、服用を中止することで症状の改善がみられます。

しかし、実際には関節などの痛みを抱えている人も多く、どうしてもこういった薬に頼るケースが多く、なかなかなくならない潰瘍の一種です。

ピロリ菌を持った人の場合には、潰瘍ができる危険度も高まります。
薬の服用がやめれない方の場合には、潰瘍の治療も同時に行う必要があります。

次の3の原因はまれなケースですが、仕事や家庭環境でストレスがかかりすぎると自律神経が反応し、胃の粘膜の血流を悪くし、酸の分泌が多くなったケースです。

4のクローン病は、小腸や大腸に炎症を起こす疾患の炎症性腸疾患の1つで難病です。
日本ではクローン病は特定難治性疾患に認定されています。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状は?

胃やみぞおちあたりの痛みを訴えるケースが最も多いです。
夜間の空腹時に持続的に痛くなります。

食後すぐに痛む場合もあります。
この場合には、胃酸過多が原因で胸やけ・げっぷ・むかつきなどがあります。

また、まったく自覚症状のない場合もあります。

潰瘍が悪化して、血管まで達すると出血する場合があります。
出血した血は腸を通りますので、ドロドロのタールのような便が出ることがあります。
吐血=血を吐くこともあります。

ケースとしては、腸を通って出血することが多くみられます。

再発予防のために気をつけたいこと

栄養バランスの取れた食事を心がける

潰瘍の具合の悪いときは消化の良いものを食べましょう。
おかゆやうどんなどがいいでしょう。

普段から気をつけたいことは、濃い味付け、脂っこいものなど、辛いもの、刺激の強いものなどの摂取を控えて胃への負担を減らすことが大切です。

規則的な食事の時間

規則的な時間に食べることで、消化液の分泌も規則正しくなります。

よく噛むこと

ゆっくりとよく噛むことで胃への負担も減ります。

腹八分目の食事量

適量の食事にすることで胃への負担が軽くなります。

嗜好品も控えたほうがいい?

タバコはやめましょう

胃粘膜への負担があります。
タバコはやめたほうがいいでしょう。

コーヒー

どうしても飲む場合には、空腹時は避け、食後にでも飲むようにしましょう。

アルコール

空腹時にこそ美味しいのはわかりますが、空腹時は避けましょう。

生活改善も大切

質の良い睡眠を

ただ長く寝るのではなく、しっかりとリラックスして眠れる環境を整えましょう。
徹夜や夜更かしもよくありません。

ストレスと溜めない

ストレスを感じてしまうのは仕方ありません。
長くその環状を引きずってイライラしないように発散できるものを見つけましょう。
ストレスは、内臓の血流を低下させていいことはありません。

 

いかがだったでしょうか?
最近では、ピロリ菌を除去することでかなり多くの人が胃潰瘍や十二指腸潰瘍が改善されるようになってきています。

まず、潰瘍の原因をしっかりと治して、あとは、漢方薬で再発防止に気をつける、というのが良いかも知れません。

ですが、大切な体のことですから、自己判断だけで終わらせずに、漢方や医療の専門家にもきちんと相談するようにしましょうね。

花田サキ

 

 

 

 

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