肛門から出る前のいぼ痔(痔核)には漢方薬が効果的な治し方

 
痔と漢方薬

 

突然ですが、実は、人はみんな痔主なんです。

誰にでも痔核はあって、肛門を閉じるときのクッションの役割をしていると考えられているそうです。

ところが、これを支えている組織が弱くなってくるとクッション部分が大きくなってきて「痔」という病気になるそうです。

参考:痔のおはなし

早乙女タロウ

痔には痔核、裂肛、脱肛などの様々なタイプがあります。
一般に「痔」と言った時は、「痔核」を指すのが普通です。

痔と漢方

漢方が多用されるのは、痔核に対してです。
ただし、進行して痔核が常時、肛門の外に出てしまっている状態では、外科的手術が必要となります。

なお、裂肛、脱肛の場合は、外科的な治療が中心となりますが、これらのタイプでも漢方薬を効く場合があり、手術前に試す価値があります。

痔核の漢方薬での治し方

体力がない、胃腸も弱い(虚証)

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力低下、脱肛、食欲不振
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷え性、便秘、下痢、めまい

体力はふつう(中間証)

  • 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
ひどい出血、貧血、下腹部に抵抗と圧痛
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
出血、のぼせ、便秘がない
  • 乙字湯(おつじとう)
疼痛、出血、便秘

体力は比較的ある、胃腸も丈夫(実証)

  • 大柴胡湯(だいさいことう)
上腹部が固い。便秘、肛裂創合併
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
  • 四物湯(しもつとう)
上腹部が固い。便秘、ひどい出血
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
暗赤色の出血、頑固な便秘
  • 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
便秘、下腹部の抵抗感と圧痛
※急性期の強い痛みには、紫雲膏を証に関係なく患部に塗布して外用します。

※「虚証」や「実証」についてはこちら→「漢方薬の選び方~診断方法を知ろう~

ここからは、痔について詳しく学んでいきましょう。

ここでは、痔核(いぼ痔)についてです。

早乙女タロウ

痔核とは

痔核は、直腸と肛門の網の目のように集まっている細かい血管たちが膨らんでしまって起こる病気だと思われてきました。

ですが、痔核は動脈や静脈などが網の目のように集まっていますが、それは、本来、肛門を閉じる際に役立っているクッションのような意味合いで誰にでもあるのが正常であることがわかってきました。

そして、肛門への負担が長期にわたり与えられ続けた結果、正常なクッション部分にうっ血が起こり、それを支える支持組織が弱くなったり断裂状態になり、脱落してきている状態を痔核といいます。

痔核は数種類ある痔の種類の中でも、最も頻度の高い痔です。
男女ともに過半数に達しています。

痔核の原因って?

肛門への刺激はすべて痔核の原因となります。

  • 便秘や下痢の便通異常
  • うっ血の原因となる長時間の同一姿勢や過度の運動
  • アルコール・香辛料などの摂取

これらが、全て痔核の原因となりますが、もっとも注意すべきものは便秘です。

便秘の際にいきむことや硬い便が通過することが肛門への負担となって痔核ができやすくなります。

痔核の種類や症状は?

  • 歯状線より上の直腸側にあるものを内痔核
  • 歯状線より下の肛門側にあるものを外痔核

と言います。

内痔核は出血するようになって気づきます。
真っ赤な鮮血が出ます。

ボタボタと出たり、ほとばしるように出たり、量も多く出ます。
痛みはありません。
進行してくると排便の際に脱出するようになります。

排便が終わると自然に中に入っていたのが、症状が進むと押し込まないと入らなくなります。

さらに進むと、ずっと出っぱなしになってしまいます。

内痔核は痛くは無いのですが、内痔核の中の血管の中に血栓ができ、内痔核が大きく脱出したままになって腫れ上がることがあります。
嵌頓痔核(かんとんじかく)と言って、痔核の急性期です。

外痔核は通常、病気としては捉えられていません。
ですが、血豆、血栓を作り、小豆大の小さな塊ができた血栓性外痔核の場合には、ズキズキと痛みます。

普段、痔が特にない人が突然小さなしこりができて痛みだすのはこのタイプの痔核です。

痔核の診察方法は?

痔や肛門の病気はもっとも診察が恥ずかしい病気の一つですが、どんな診察方法があるのでしょうか。

問診

症状を詳しく聞いてどのタイプの痔なのか、検討をつけます。
痛みを伴わない多めの出血なら、内痔核という診断になります。

視診

肛門や周辺をしっかりと見ての診察です。

血豆を作った外痔核はすぐにわかります。
血栓状の黒ずんだ小さなしこり透けて見えるので血栓性外痔核も見てわかります。

指診

人差し指に指サックをはめて肛門周囲をなぞり、しこりなどがないか調べます。
痔瘻などはわかりますが、痔核系の痔は向いていない診察方法です。

肛門鏡診

肛門鏡という器械を使って肛門内を診察します。
痔核や裂肛はすぐにわかります。

直腸鏡診

直腸の方まで診ます。
直腸の上部の方までしっかりと診察します。

内痔核があればわかります。

痔核の治療法は?

肛門の外に出ていない痔核の場合には漢方薬での治療がありますが、ここでは西洋医学的な観点からの治療法を解説していきます。

保存療法

痔の基本的な治療法です。

保存療法ではカバーしきれない症状がある場合には、生活習慣や食生活の改善を柱として、その時の症状を取りのぞく治療を行います。

同時に使う薬としては、座薬や軟膏などの外用薬と全身作用の内服薬があります。

外来措置

注射療法

出血する内痔核に有効です。
地を固める硬化薬を注射し、出血を抑えます。

内痔核への注射は痛くありません。
止血効果は、1~2年で永久ではありません。

ゴム輪結紮療法

ごむわけっさつりょうほう、と読みます。
脱出する内痔核に有効な療法です。

痔核を根本から結紮する方法です。
出血することなく1週間程度で痔核は除去されます。

 

痔核の手術方法

脱出する痔核で日常生活に差し障りがある場合や、出血がひどい場合、外来措置や外用薬で治らない場合には手術を行います。

痔核につながる動脈を根部で縛り、痔核を切除します。
切除跡を縫う場合と縫わない場合があります。
手術の時間は、15分~20分程度です。

痔核を予防する日常生活とは?

便秘を防ぐ

痔の原因として多い便秘。

便秘を防ぐのに重要なのは食生活で、食物繊維の多いものを食べるように気をつけます。

朝食からきちんと食べることも必要です。
便意を感じたらすぐに大便に行くことも大切です。

下痢を防ぐ

下痢も痔の原因になります。

規則正しい生活を送り、自律神経を整えるようにしましょう。

入浴を十分に

痛みなどが軽減されますし、患部を清潔に保つためにも必要です。

 

いかがでしたか?

痔核自体はあって問題のないもの、ですが、生活のリズム、食生活の乱れは痔核を病気へと誘う良くない習慣です。

また、症状がある場合には速やかに専門的な知識のあるところで診てもらいましょう。

早乙女タロウ

 

 

 

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