2017/03/17

症状別にうつ状態を漢方薬で治す方法

 
うつを漢方で治す方法

うつ病は、分けも無いのに気分が沈み、何事にも悲観的になるもので、感情や意欲の低下が目立つ病気です。

うつ病は、神経症とは異なり、自分の病気に自分で気がついていない場合が多くあります。

また身体の活動性、機能も著しく低下し、食欲不振、下痢、便秘、頭重感、倦怠感、肩こり、のぼせ、生理不順、インポテンツなどの様々な身体症状を併発するのが一般的です。

うつ病の漢方治療では、まず身体的な症状を改善し、肉体的な苦痛から患者さんを解放します。
身体症状が改善されてくると、その人に備わっている本来の自己調整能力、治癒能力が自然と機能するようになり、精神面の障害が徐々に取り除かれる事が少なくありません。

ただし、重症の人は自殺する危険性もあり、西洋薬の抗うつ剤が必要となります。
このような場合は、抗うつ剤に漢方薬を併用します。

うつ病に効く漢方薬は?

体力がない、胃腸も弱い(虚証)

  • 加味帰脾湯(かみきひとう)
  • 温胆湯(うんたんとう)
不安、不眠、胃腸虚弱、貧血傾向、もの忘れ
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
  • 女神散(にょしんさん)
イライラ、不安感、不定愁訴
  • 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
不安、不眠が強い。頭重、肩こり、動悸

体力はふつう(中間証)

  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
  • 柴朴湯(さいぼくとう)
強いうつ感、喉の違和感

体力は比較的ある、胃腸も丈夫(実証)

  • 柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
不安、焦燥感が強い。便秘、不眠

※「虚証」や「実証」についてはこちら→「漢方薬の選び方~診断方法を知ろう~

ここからは、一般的な知識としてうつ病を知っていきましょう!

早乙女タロウ

よく、躁うつ病(気分障害)と言われる病気がありますが、そのうちの3分の2以上はうつ病だけを発症するとされています。
躁(そう)状態だけが発症するのは数%に過ぎないようです。

うつ病相(うつ状態)の症状とは?

■ 悲哀感・思考や行動の異常

  • 「気が沈む」
  • 「気分がすぐれない」
  • 「何を見聞きしても楽しくない」

という感情がいつも精神を支配している状態です。
周りのことに興味・関心がなくなり、その気持ちは表情や動作に現れます。
いつも悲しげで意気消沈しているように見えます。

1日のうちでも気分には上がり下がりがあって、朝が最も悪く、夕方になってやや気分の落ち込みが緩和される場合があります。

・思考の異常
  • 「頭が働かない」
  • 「集中力が出ない」
  • 「テレビの内容についていけない」

と思考がまとまらなかったり、時間がかかったりします。

悲観的になって、昔のことに執着します。
自己肯定感は無く、強い劣等感に終始襲われています。

  1. 罪業妄想(ざいごうもうそう):過去の過ち・失言などを悔いる、自責の念にかられる
  2. 心気妄想(しんきもうそう):ちょっとした体の不調が病気ではないかと不安になる
  3. 貧困妄想:高齢者のうつに多く見られる、自分を貧しいと思い込む

上記は、うつ病の3大妄想と言われ、うつ状態の人はこういった思考に苛まれるようになります。

・行動の異常

活動量や活動意欲の低下が起こります。
表情が豊かでなくなり、動きも減り、うまく行えず、緩慢で何事も億劫になります。

  • 起床
  • 着替え
  • 化粧
  • 食事の支度

がうまく行えなくなって、時間がかかるようになります。
社交性も低くなり、対人関係もうまく行かなくなります。

行く付くところ、動かない、喋らない、という状態になり、最悪には「うつ病性昏迷(うつびょうせいこんめい)」となってしまい、寝たきりになってしまうこともあります。寝たきりにならなくても、保護入院しなくてはいけなくなってしまいます。

■ 様々な身体症状が多発する

うつ病は心の病であるのに、体に様々な症状が出てくるので、普段一緒に寝起きをともにしている家族でさえ内科的な病気と勘違いしてしまうことがあります。そういった状態のときは、医師が診ても内科的な病気と判断してしまうことがあります。

そのために、、本当の病であるうつ病の治療が遅れてしまうことがあります。

なかなか見分けにくいところですが、家族は、食欲・睡眠・性欲といった生きるための欲求、そして、その生活の中での僅かな異常に気付くことが大切です。

・不眠

睡眠障害はうつ病の初期段階から比較的早く現われます。

  • 早朝覚醒(そうちょうかくせい):早く目が覚めてものすごく不快
  • 入眠障害(にゅうみんしょうがい):寝付きが悪い
  • 中途覚醒(ちゅうとかくせい):何回も目が覚めて寝た気になれない
  • 不眠(ふみん):寝ない、自殺の兆候としても要注意です

以上が、うつ病における睡眠障害の種類です。何れにせよ、家族は早く気付いてあげたいものです。

・食欲減退

食事が美味しくなくなり、味覚がなくなったと訴えます。
どんどん痩せてきます。

・性欲減退

男性ではED。女性は月経不順・無月経・不感症になります。これらの症状はうつ病の症状が治れば回復して行きます。

・その他の症状

便秘・唾液や涙などの分泌物の減少・口渇・頭痛・頭重・視力や聴覚の障害・心悸亢進・呼吸困難・胸が苦しい・胃や十二指腸の潰瘍・頻尿・尿閉・四肢末端の冷え・抜け毛・疲れやすい・寒さへの抵抗力の低下・全身の痛み、と実に多くの症状が現われます。

■ 自殺願望が起こることがある

  • 自殺念慮(じさつねんりょ):死にたいと思うこと
  • 自殺企図(じさつきと):自殺を計画すること

うつ病の初期や治りかけにこういった行動に出ることが多いようです。周りの人は要注意です。

その他、不安・イライラ・自分やモノの存在がピンとこない・脅迫症状、なども見られます。

躁うつ病の分類

躁うつ病の分類 躁うつ病(内因性) 双極うつ病
単極うつ病(更年期うつ病・仮面うつ病)
反応性うつ病
身体因性うつ病(器質性・症候性うつ病)
神経症性うつ病

■ 双極うつ病(そうきょくうつびょう)

  • 躁(そう)病と、うつ病の両方が発症
  • うつ病が発症

のどちらかの状態です。比較的年齢が若く、遺伝的な要因が強いです。循環性格(まじめで几帳面、物事を最後までやり遂げないといけないと思っている)だった人に多く見られます。

■ 単極うつ病(たんきょうくうつびょう)

  • うつ病だけが周期的に発症する

状態を指します。

中高年に多く見られます。
執着性格やすぐに落ち込むような性格だった人に多い傾向があります。

・更年期(初老期・退行期)うつ病

40~65歳頃に最初の発症があります。

不安・焦燥・苦悶といった感情が多い。しかし、抑制は比較的軽めで口数も減らず、動きも活発だったりします。

その割には、体の不調を多く訴えます。神経症的傾向あり。

・仮面うつ病

不眠・全身倦怠感・疲労感・頭痛・全身各所の痛み・食欲不振・めまい・動悸などの体や自律神経の症状が多いのが特徴です。

体の症状で訴える、体の仮面をかぶったうつ、ということで仮面うつ病と言われます。

■ 反応性うつ病

家族の突然の死、などの辛く悲しい体験が引き金になることが多い。

■ 身体因性うつ病

・器質性うつ病

頭に傷を負った後や、脳動脈硬化症・パーキンソン病・認知症の初期段階で見られます。
急性期に意識障害が見られます。慢性期に入ると、認知症や性格の変化などが起こります。

・症候性うつ病

症状性うつ病とも言います。
感染症・代謝や内分泌関連の病気・産後の抑うつ・外科手術後などに見られるうつの種類です。

うつ単体で起こるものではありません。

■ 神経症性うつ病

元々、神経症だった人がなるうつ病の種類です。
病気の前の性格が、未熟・依存・神経質、といった上に環境や心の変化が重なって起こります。

症状は、不安・焦燥・多訴(訴えが多い)・他責・攻撃性などが目立ちます。

 

基本的には治療は、休養と薬物投与になりますが、薬物の部分を漢方薬で補うことができます。まずは、現われている症状を漢方薬で取り除くことが先決です。それと並行して心のケアをしてくことが肝心です。

しかし、自殺の危険性があるような状態の場合には、西洋薬の薬物治療(抗うつ剤・睡眠導入剤・抗不安薬など)も並行する必要があります。

最終的には自己判断せず、専門家の診察を受けて決めるようにしてください。

早乙女タロウ

 

 

 

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